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アフリカの異なる世界観の中で駐在生活 小出 洋介さん

2023.09.11

アフリカの異なる世界観の中で駐在生活 小出 洋介さん

小出 洋介(こいで ようすけ)さん
オービットの在籍期間:中学2年~3年卒業
香港日本人学校中学部(1992~1994)
青山学院高等部(1994~1997)
青山学院大学法学部(1997~2001)
Sun Microsystems(後にOracleに買収)(2001~2011)
NEC(日本電気株式会社)(2011.10~現在)
NECアフリカ統括現地法人に駐在(2016.1~2018.3 2021.6~現在)
現職 NECアフリカ統括現地法人・General Manager
 

アフリカ大陸での駐在生活を楽しんでいます

ジャンボ!(スワヒリ語でこんにちは!)レイホウマー!(広東語でこんにちは!)

初めまして。ORBIT起ち上げ時の香港大丸裏のジャバラエレベータービル時代*にお世話になった小出洋介と申します。 僕は現在、南アフリカ駐在で、NECのアフリカ統括現地法人で、社会インフラ・行政サービスを提供する国民IDシステム、インターネットのインフラとなるような通信・放送システム、電力インフラとなる再生可能エネルギーシステムを提供しています。この原稿は出張中のモザンビーク・アンゴラで執筆しています。

モザンビークやアンゴラというとテロリストなどの勢力が強めていて、危険地域だと思われていると思いますが、例えばモザンビークは首都での活動なので治安も安定してますし、ビールも美味しく、ビーチが近くて気持ちよかったです!南アフリカでも休日はもっぱら地元チームと野球をしたり、5kmマラソン大会に参加したりしています。


南アフリカで地元チームと野球の試合中


南アフリカのマラソン大会に参加

いきなりアフリカの話題ですみませんが皆さんアフリカというと何を思い浮かべますか? 

アフリカは いま人口爆発が起きていて、2050年には、世界人口の4人に1人がアフリカの人になる、なんていうことも言われています。多くの日本人の方々からは、アフリカ大陸は遠くて、本当に遠い未知なる大陸、広大なサバンナを闊歩する動物たちなどだと思います。日本人のイメージのアフリカは、ひとまとめに考えがちですが、実はアフリカは54の国で構成された大陸です。国が違えば当たり前ですが、言葉も違う、価値観や考え方、習慣も違う、仕事柄、商取引する上では、商習慣や法律も異なり、金融システムも違います。

異なる世界観の中で生活するうえで最も大切なことをオービットで学んだ

この異なる世界観で仕事をし、生活をするうえで、何が最も大切だと思いますか?

人によって答えは違うと思いますが、“コミュニケーション力”や、“相手をリスペクトし受け入れる寛容さ”、つまり“多様性を尊重しあう心”だと 僕は思っています。ORBITが創世期に入らせていただきましたが、僕がORBITで学んだことは、まさに太字でハイライトした部分だと思っています。

父親の仕事で香港駐在が決まり、香港日本人学校に編入し、レベルの高さに驚き、親に「塾に行きたい」とすぐにお願いしたことを覚えています。母親が当時香港で有名だったH塾と、ORBITを見学してきて、「あなたにはORBITのほうが向いていると思う」と、母親に言われるがままに、香港大丸裏のジャバラエレベータービル*に行った日のことを今でも鮮明に覚えています。当時の自分は「ココが本当に塾なの?」と驚きつつ、後藤敏夫先生の数学、節子先生の英語の授業を楽しく受けさせていただきました。

いま思い返せば、母親の感覚は当たっていたのだなと、つまり母親は僕の好みや性格を最大限に知る唯一無二の存在なわけで、当時の僕はH塾に行くと、大多数の生徒に埋もれてしまい、親身に見てもらえない、わからないところがあっても授業は進んでしまい、授業の後で先生に聞くこともできないで・・・となることが13年育ててきた息子の未来が想像できたのだろうなと。 これは仕込みとかではなく、ORBITに通った僕はその後、後藤先生ご夫妻の暖かい指導により、授業中も、わからない点はわからないと発言し、僕が理解するまで残ってでも指導してくださり、インタラクティブな授業で、“コミュニケーション” を密に取りながら授業を受けた記憶があります。

また後藤敏夫先生がおっしゃっていた言葉で印象的だったのは、「人と同じことをしても面白くないと思わない?一度きりの人生 尖がった人になれ」です。 この言葉は現在のアフリカでの仕事にとても役立っています。 つまり人は違っていて当たり前、アフリカの人々に多い尖った人もいれば、日本の方々に多い隣の人と同じが良いという価値観、その違いを理解したうえで、“相手をリスペクトし受け入れる寛容さ”、つまり“多様性を尊重しあう心” そして、“コミュニケーション” をとることで、1歩1歩前に進む、ということです。

オービットに通っている皆さん、オービットの和気あいあい・アットホームな環境で、先生方・お友達とのコミュニケーションを楽しみながら授業を受けてください!シンガポールで学ばれる皆さんは、既に多様性を経験されていると思いますが、異なった価値観をリスペクトできる力を大いに養い、どんな価値観や時代の変化のなかでも活躍できる人材となってください!

*オービット第一教室は旧イギリス式の蛇腹(じゃばら)式エレベータが設置されているビルにあり、生徒たちは手で鉄の扉と蛇腹をあけてエレベータを利用していました。

後藤敏夫先生(数学担当)からのメッセージ

これからますます拡大するアフリカ大陸を舞台に活躍されているとのこと大変うれしく思います。 当職も南アフリカに2回ほど行きましたが、土地のスケールの大きさ、人間の屈託のなさは群を抜いていますね。 そんな中で、尖りながらも相手をリスペクトする寛容さを持ち続けてください。

 

【後記】小出洋介さんのアフリカでの活躍が Yahoo!ニュースで取り上げられました 

「僕は南アフリカで、それぞれの価値観、考え方を持っている前提の社会で、相手をリスペクトし、きっとこう考えるかもと思いながら物事の交渉、仕事を前に進める人を傍で見てきました。そういうところはすごく学ぶべきところだなと思います」ここでも小出さんは様々な価値観を受け入れる大切さについて熱く語っています。是非、記事「電気、水、行政サービスを“ふつう”に使える日常を南アフリカで実現する。日本人ビジネスパーソンが奮闘する姿を追った」 (2023.10.21付)をご高覧ください。