『先生の本棚 2025-26版』を発行しました
2025.10.09
お待たせしました!毎年大好評を博しております、オービットの講師陣によるブックガイド『先生の本棚 2025-26保存版』を発行しました。
「人生に影響を与えた1冊」のほか、生徒の皆さんに読んでほしい本、興味関心のある本など、各講師の個性がにじみ出たコメント付きで紹介した全147冊、32ページにもわたるオリジナルのブックガイドになっています。ぜひ親子で手に取っていただき、ご家庭での豊かな読書生活の一助としていただければ幸いです。
下記に冒頭の教室長の満仲からのメッセージを抜粋して掲載します。
「本を読めば読むほどバカになる!?」
みなさんは今、どんな気持ちでこの『先生の本棚』を手にしているでしょうか?「やっぱりたくさんの本を読んだ方がいいんだろうな」と思っている人が多いのではないでしょうか?
書店では読書の効用や読書術を語った本が山ほど売られています。そのなかに『読書について 他二篇』(ショウペンハウエル著・岩波文庫)という、世の中にある読書術の元ネタのひとつというべき古典的な書物があります。そこにはこう書いてあります。
「読書は、他人にものを考えてもらうことである。本を読む我々は、他人の考えた過程を反復的にたどるにすぎない。…読書にいそしむかぎり、実は我々の頭は他人の思想の運動場にすぎない。…多読に費やす勤勉な人間は、しだいに自分でものを考える力を失って行く」
なかなか衝撃的ですよね。「読めば読むほどバカになる、だから本を読むな」と言っているようなものですから。でも、実はこれは浅い理解なのです。自分を「他人の思想の運動場」にしてしまわないためには、読んだ内容をそのまま受け取るのではなく、読んだ後に、果たして本当にそうなのか、私ならこう思う、などと時間をかけて自分なりに考えてみることが大切だ、ということなのです。そしてこの「本との対話」を通して自分の思想や人生観などを形成する読み方をしてほしい、ということなのだろうと私は解釈しています。さて、みなさんならどのように解釈しますか?
毎年増補発行している『先生の本棚』もかなりのボリュームになりました。これは!と思う1冊を手に取ってぜひ「本との対話」をしてみてください。
オービットアカデミックセンター
教室長 満仲 孝則