オービットタイムズ

Home オービットタイムズ 「学問」と「寛容さ」を学べる塾 上田 海斗 さん

「学問」と「寛容さ」を学べる塾 上田 海斗 さん

2025.03.23

「学問」と「寛容さ」を学べる塾 上田 海斗 さん

上田 海斗(うえだ かいと)さん
オービットの在籍期間:2013~2016年(中学1年~中学3年)
Overseas Family School(中学1年~中学3年)
灘高等学校(2016~2019年)
東京大学農学部応用生命化学工学専修(2020~2024年)
東京大学大学院応用生命工学専攻(2024年~現在)

オービットは「学問に真摯な塾」

オービットは学問に真摯な学習塾だったという印象です。合格実績を掲載する際、全ての学校を同じフォントで、五十音順に並べている学習塾などそうはないのではないでしょうか。授業は、例を挙げるならば「接点もない子にフラれた?アイがあれば問題ないだろ。」「みんなは俺みたいに微分理解してないのに積分に手を出しちゃダメだぞ。え?掛け算理解しないで割り算するみたいなモンかな。」などとおよそ中学生にするものとは思えないアカデミックな雑談に満ちていました。このような受験へのスタンスやユニークな授業などから、あくまで生徒に、ここに籍を置くことを学問そのものに興味を持つ一助としてほしいという姿勢が表れています。さらに、普通の学習塾と異なる点として、そのままインター校に進学するという生徒も少数派ではないのですが、授業は中学生も終わりに差し掛かろうかという時期まで全員共通です。オービット側の事情や狙いはわかりませんが、結果的に生徒に「学問は分け隔てないもの」と認識させることに成功していると思います。以上のことによって醸成された独特な空気感は当時の自分に、なぜ学ぶのかを意識させ、周囲に煽られるがままお利口に、社会的ステータスの向上を目的とした勉強をする習慣から脱却させるには十分でした。博士号の取得を志すくらい学問に真心から向き合うようになった背景には、オービットの存在があります。

生きていく上で重要な「自己肯定感」と「寛容さ」が育つ環境

また、オービットの先生方は決して自分を否定しませんでした。様々な要因から周囲への攻撃性が高くなっていた当時の自分の人間性を、「善良とは言えないが普通の人間にはない輝き方をする、ニヒルな魅力にあふれた誇るべきもの」と表現したのは、数学を見てくださっていた先生でした。当時は抽象的過ぎて意味不明でしたが、褒められた気分になれたので、「モノは言いようなんだな」という感想を抱いたのは覚えています。この視点は今でも大切にしていて、自己・他者問わず、人に対して負の感情を抱く時はまずその原因を別の視点から見るとどう映るかを考えます。そうすると案外ポジティブな見方が生まれて、自己肯定感と他者への寛容さが共に向上します。人間性の他にも、分不相応と言われかねない志望校の変更や、相当にインドアへ寄った趣味嗜好など、当時の自分が良しとしていなかったものが否定されなかった事例は他にもありますが、総じて何に対しても寛容なオービットの空気は、自然と生徒へあらゆる事柄に対して否定から入らない視点を与えます。

目標は「学問を通した社会貢献」

自分の今後の目標は、自分が成した、自分にしか成せない仕事により世界の一部をよりよくすることです。漠然としていますが、今はとにかくオービットで身に付けた学問への誠実さをもって努力し、オービットで身に付けた万物への寛容さをもって出来るはずだと信じ続けるのみでしょう。

浜田先生からのメッセージ

中学時代の上田君は、いつも飄々としていて、一見冷めた雰囲気を出しながら、実は謙虚で、多様なクラスメートに寛容な生徒でした。当時から「魅力あふれる生徒だ」と思いながら、また、いつもこちらが「試されているかのような」視線を感じながら(笑)、授業をしていてものすごく楽しかったし、刺激的だったのを覚えています。現在はタンパク質の翻訳後制御という医学・薬学につながる重要な基礎研究に従事されているとのことで、その研究内容の興味深さに、羨望すら覚えます!「アカデミズムを通した社会貢献」、今後も期待しています!