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褒めて伸ばすオービットの教育理念 谷村 研人 さん

2024.02.01

褒めて伸ばすオービットの教育理念 谷村 研人 さん

谷村 研人(たにむら けんと)さん
オービットの在籍期間:小学4年(10歳)~6年(12歳)卒業
香港日本人学校小学部(1991~1996)
早稲田中学校・高等学校(1996~2002)
筑波大学第一学群自然学類(2002~2006)
株式会社JALウェイブ(現JALスカイ)(2006~2015)
春秋航空日本株式会社(現スプリング・ジャパン)(2015~現在)

近況

皆様こんにちは。オービットの香港校でお世話になった谷村研人と申します。現在は航空業界で運航管理者(ディスパッチャー)と呼ばれる、パイロットに対して飛行計画書を事前に作成し、かつ飛行中のパイロットを補佐する仕事をしています(よく管制官と間違われるのですが、飛行機をバスにたとえると、管制官は交通整理の警察官で、運航管理者はバス会社の事務員となります)。

私はもともと小学校の頃から「将来の夢は気象庁の予報官」と書くほどの気象マニアで、いわゆる受験科目でも理科と社会ばかり得意で他はてんでだめ、といういわゆる変わった子どもでした。気象予報士という資格が新たに作られた時期がおよそ私の中学進学と重なっており、当時最年少で気象予報士試験に合格した中学生がいるというニュースを耳にして、自分もいつかと思っていたものでした。結局高校3年生の夏になってようやく気象予報士試験をパスし(普通は大学受験に向けて勉強する時期ですが…)、その後は気象が学べる大学へ進学したいと思い普通に大学受験をしました。

脱線ですが気象庁に入ることを考えるなら気象大学校という、自衛隊で言うところの防衛大学校のような位置づけの学校があります。ところが採用試験の難易度は東京大学をはるかに超えるという話(20年前当時です)であったため、私は噂に尻込みして不戦敗でした…(調べたところ、試験科目の違いもあり一概には言えないものの、現在は東京大学とほぼ同程度の難易度のようです)。

大学では気象の学会で名立たる教授陣の素晴らしい指導を受けることができたほか、近隣に研究施設も多く、アルバイトで出入りしていた防災科学技術研究所のレーダーのデータを使わせてもらい学士論文を書くことができました。気象についての研究も良いものの、特に実業で生かしたいと考え、同じ大学からOBが出ていた航空業界を目指し、現在は運航管理者として航空気象を相手にする毎日を送っています。

オービットで印象深いこと

オービットで印象深いのは、お世辞にも広いとは言えない当時のオフィスルームにおいて、多くの本を生徒が読めるようにしてくれていたことです。

私はそこに置かれていた科学雑誌のNewtonを大いに気に入って、教室にまで持ち込んで読もうとしてよく怒られていたような記憶があります(反省!)。しかしそんな私を叱るだけではなく、大人向けに書かれた雑誌を読めるなんて大した奴だ、それ自体は良いことだから続けなさい、と後藤先生には言っていただき(単に挿絵が素晴らしいので読みやすかっただけなのですが)、さらに定期的に購読してくださいました。またその過程で、理科や社会だけではなく、算数や国語といった科目をきちんと勉強することが大切であることも学べました。ただの気象オタクであった私がなぜ中学と大学の二つの受験をパスすることができたのか、その秘訣は褒めて伸ばすオービットの教育理念にあったと考えています。

在塾生へのメッセージ

世界情勢や、価値観の変化が激しい時代となって久しいのですが、その中にあっても自分を形作る「芯」のようなものがあれば、人間は大きくぶれずに生きられると思っています。シンガポールに住み、オービットという素晴らしい塾に通えている時点で、皆さんはかなり恵まれた環境にあります。ぜひ、自らの「芯」となるようなもの(学問でもいいですし、体験も良いと思います)と出会えるよう、行動してみてください。その時には目立った収穫がないように感じても、実はその行動そのものが大きな収穫だった、と後で気づくことも多くあります。皆さんに未来の日本を担う立派な人になっていただけるのが楽しみです。

後藤敏夫先生からのメッセージ

小学生の君が授業前に黒板いっぱいに大人顔負けの気象図を描いていたことがついこの間のことのようです。毎回秀逸な「作品」で授業前に消させるのがもったいないと何度思ったことか。。。今回の寄稿、在塾生への励ましありがとう。君のようなオタクが活躍できていることは大変嬉しいことです。気象学のオタクらしく、面目躍如たるものですね。機会があったら、是非『ライオン都市』に遊びに来てください。