【後藤敏夫のグローバル教育ニュース】英語学位プログラムとは
2021.11.15
2020年はCovid-19で幕を開け、グローバリゼーションの流れがこの感染症を蔓延させ(パンデミック化)、国際経済学・衛生学等の関連課題をはるかに上回り、「従来の文明の在り方の問い直し」「人類の生業の破壊」が起こっています。感染症対応は長期化。ワクチンや治療薬がどの程度有効か、いまだに不明の状況です。
進む教育のハイブリッド化(対面教育とオンライン教育)
世界各国が、経済と人とモノの行き来を一時停止したため、高等教育の世界も大混乱。留学生は激減。国内における「対面教育」と「オンライン教育」との混成教育(=ハイブリッド型教育)の方向に突き進んでいます。仮に別の感染症が襲って来ても、沈静化(=ニューノーマル)まで対応することができます。止まらない教育のグローバル化
ニューノーマル化された後は、「海外大学進学を軸にする高等教育のグローバル化」に関しては少し速度が鈍りますが、時差が大きい遠隔地(USA、UK等)への留学が減少し、時差が小さいオーストラリア、シンガポール、マレーシア等への留学が増えると言われています(このような事態では、母国との心理的距離が小さく、治安が良好な国の人気が上がります)。大学が推進する「英語学位プログラム」という選択肢
近年、今後国内の大学で人気が上昇するといわれているのは、国内の有名大学が設置する英語学位プログラムというコースです。日本にいながら、海外大学と同等の高等教育が受けられます。国内なので学費、生活費も相対的に安価。交換留学、提携留学をうまく使えば留学に準じた効果が得られます。 上位大学がコースを設置して英語による専門科目を開講し、人気が出ています。
国内大学が開講する英語学位プログラムのコースの特徴
①中核となる専門科目の授業がすべて英語で行われ、国際的に認知された学位が取得できる。
②多くのコースが提携留学を推奨。留学を必須単位にしているコースもあります。 半年から1年間のコースを履修し規定の成績を獲得すれば、単位認定を受けられます。
③必要な英語力:国際レベルのコースが多いため、下記のアカデミック英語の運用力が必要です。 ・IELTS少なくとも 5.5~6.0以上 ・TOEFL 少なくとも80~90以上
④海外の高等教育(大学院)接続を意識しているので、海外でポピュラーな手法である双方向型の授業形式(PBL…問題解決型学習)が多い。
⑤修学の条件に、英語の論文が提出を求められるコースが多い。
⑥留学生対象に作ったコースが多いため、海外からの留学生が多数在籍し、グローバルコンピテンシーを強化するチャンスとなる。
⑦国際学生寮を設置。留学生と混住型やシェアハウス、グローバル教育寮等、グローバルコンピテンシーを増進し、経験が積みやすい施設の拡充も進んでいます。
⑧現状では留学生を主な対象にしているため、秋入学が多い。
英語プログラムの例
◎…すべての専門科目が英語で学位取得可。▲…一部の授業は日本語 (2021年8月現在)