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【後藤敏夫のグローバル教育ニュース】海外大学の日本キャンパスが国立大学にできる!?

2020.10.15

アリゾナ州立大学広島キャンパス…「グローバル・イニシアティブ」

中国地方の中核的な国立大学である広島大学は、近年グローバル改革を急激に推進しています。2018年4月にはトップクラスのアメリカの州立大学の一つ、アリゾナ州立大学(ASU)と大学協定を締結、様々な共同教育事業の検討を本格的に開始しました。 ASUと広島大学は、共同で(※)【アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営大学院―広島大学グローバル校】(以下「グローバル・イニシアティブ」)を広島大学キャンパス内に設立する計画を策定。2年後の2020年8月に覚書を交わしました。 国立大学が海外大学とキャンパスと共用し、将来的には英語によるASUのプログラムも国立大学の学生が履修できることを想定した、スケールの大きい国際的な大学連携プロジェクトです。

「グローバル・イニシアティブ」のメリット

◎広島大学サイドのメリット ・キャンパスのグローバル化が一気に進展し、世界大学ランキング向上も狙える。 ・広島大学の英語による授業やASUの授業への乗り入れも比較的容易に実現できる。 ・英語を教授言語とする教員募集が容易となる。 ・アメリカトップレベルの州立大学の教授法を参考にできる。 ・ASUのマネジメント手法の導入による経営力の強化が望める。 ◎ASUサイドのメリット ・広島大学から教育施設の提供(共有) ・日本人の大学生市場に関する的確な情報が得られる。(人口約120万人地方都市と周辺地域という優良な市場の獲得) ◎両大学双方のメリット ・教員の交流活性化 ・ASUアリゾナ本校と広島大学間の交換留学(学期留学)の活性化 両大学は現在「外国大学等の日本校」指定に向け申請予定です。

「グローバル・イニシアティブ」がめざすかたち

1.当初から開講されるプログラム(コース) グローバル・マネジメント学士プログラム:Bachelor of Global Management(BGM) 2.学位:規定以上の単位を取得すればASUの学位が授与されます。 グローバル・マネジメント学士号(Bachelor of Global Management(BGM)(アリゾナ本校と同格の学位が提供されます。) 3.就学モデル:以下の2つのモデルについて現在検討中です。 ・2+2モデル 1、2年次…広島大学で就学 3、4年次…ASUフェニックスキャンパス(米国)で修学 ・4+0モデル 1年次~4年次…4年間を広島大学で就学 4.主な対象とする学生: ・日本在住のインターナショナルスクールの学生 ・日本の高校生 ・東南アジア在住の学生 5.国際的に評価が高いASUの「英語集中学習コース」が本科受講のために用意される。 6.開講時期: 2021年8月広島大学キャンパスで開講。2020年10月オンライン授業を中核にテスト授業開講。) 7.設置の意義…本プロジェクトはこの両大学だけでなく、日本の高等教育にと って大きな影響を与えると思われます。 ・高等教育の国際的交流の促進(デュアルディグリーの発展、教員の交流の活性化) ・「国立大学の中に海外大学の日本キャンパスを設置するモデル」第一号の先進的な事例となり,同様のプロジェクトが生まれるきっかけとなることを期待される。 ・日本の高等教育機関の教育・研究力の向上、国際通用性の強化が期待される。 ・国立大学の財政基盤強化のモデル化 ・日本の大学の国際的な評価の向上(世界大学ランキング 等) この画期的なプロジェックトが大きく発展していくのが楽しみです。 ※グローバル・イニシアティブ: Arizona State University/Thunderbird Hiroshima University Global Initiative 広島大学 ウェブサイト https://www.hiroshima u.ac.jp/international/strategy/asuthunderbird

(続く)

(本記事は、オービットアカデミックセンター会報誌 プラネットニュース 2020年10月号(2020年9月20日発行)に掲載された内容です。)