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【後藤敏夫のグローバル教育ニュース】地方のグローバル型公立大学①会津大学 国内初のコンピュータ科学単科大学(公立)

2020.07.15

近年、地方のグローバル型の小規模公立大学が脚光を浴びています。 会津大学:国内初のコンピュータ科学単科大学(公立) <大学の沿革> 江戸時代の会津藩には日新館という伝統の藩校があり、会津は教育熱心な藩として知られていました。しかし、近代以降、会津地域には4年制大学がなかったため、福島県は、新たに県立の4年制大学を設置する決定をしました。 1993年4月、グローバルで極めて贅沢な情報環境を備えた会津大学が開学(福島県会津若松市:人口約12万人)。コンピュータ科学に特化した<コンピュータ理工学部(1学部5専門領域)>を創設しました。

Ⅰ.会津大学の環境

1.学生数:約1,100名(うち福島県外出身者 61%) 日本全国や海外から、コンピュータ理工に熱中する学生が集まるキャンパス。
2.贅沢なコンピュータ環境:コンピュータ約3000台(学生数の約2.8倍) 学内はマルチメディア・コンピュータネットワークが構築され、学生に対して十分な数のコンピュータを整備。基礎教育から応用教育にわたる広範囲かつ最先端の研究に必要な能力を育む環境が整っています。 会津大学の基本のコンピュータ環境は、ネットワーク上のデータ通信まで含めた総合性能が高く、安定した利用ができます。教育・研究環境の実現に適したMac、Linux、 Solaris など様々なUNIX系OSが使えます。(24時間使用可能)
3.徹底した少人数教育(学生9.3人/教員1人)
4.グローバルな環境 ・外国人教員数比率……約40%(2020年4月1日現在) ・海外大学との共同研究……21か国 ・協定を締結している大学・学部……海外53大学(2019年7月1日)
5.学内公用語は、英語・日本語 40%の外国人教員、提携留学生とコミュニケーションは英語。 英語による授業が約45.5%。先進ICTグローバルプログラムの授業言語はすべて英語です。
6.「THE世界大学ランキング日本版2020」……24位 特に創立30年ほどで、24位は立派です。

Ⅱ.会津大学の3つのコンセプトと教育

1.「ICT(情報通信技術)」、「ベンチャー」、「国際性」の3つが会津大学のコンセプト
2.コンピュータ理工学部の5つの専門領域 ①コンピュータ科学(CS) ②コンピュータシステム(SY) ③コンピュータ・ネットワークシステム(CN) ④応用情報工学(IT) ⑤ソフトウェアエンジニアリング(SE)
3.コンピュータ科学分野の世界標準の教育カリキュラムである「ACM-IEEEカリキュラム」に準拠 ・ACM(Association for Computing Machinery……アメリカのコンピュータ学会) ・IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc. ……コンピュータ科学学会)
4.先進ICTグローバルプログラム 学部初年次から、英語のみで教養科目、理工系専門科目を履修することにより卒業が可能なグローバルプログラムです。
5.創業基礎・海外研修科目群(スタートアップ支援) ・学内の教員がコーディネーターとなり、国内ばかりではなくシリコンバレーなど海外の第一線で活躍する研究者、開発者、起業家などを招聘し、最先端の知識や経験を教えます。 ・創業教育科目群と海外拠点を活用した体験講座から構成されています。基礎知識の勉強はもとより、実践的な研修、創業などの関連科目群からなる教育体系です。 ①ベンチャー基本コース(学部2~4年生) ベンチャー精神育成に必要な知識のための講義と、各分野で活躍している外部講師による講義を組み合わせた授業。 ②ベンチャー体験工房(学部2~4年生) プロジェクト形式の課題解決型学習)を取り入れた授業。地域や企業の抱える課題を把握した上で、自分の意思でテーマを設定・選択し、そのテーマに関連して、新製品、新サービスにつながる研究・開発を行っていきます。
6.会津大学オナーズプログラム オナーズプログラムには、「学部・修士一貫型」および「異才発掘型」の2つのタイプがあります。 ・学部・修士一貫型:前期博士課程修了を1年間短縮。その1年間を使い特別休学(オナーズイヤー)を取得し、活動費を受給し、留学などの様々な活動を行うことができます。 ・異才発掘型:才能ありと認められた学生が、ハッカソンなどの学外の各種コンテストやサマースクールへの参加、システム開発のための機材購入など様々な活動に対して活動費を受給することができます。 参考;会津大学公式ウェブサイト https://www.u-aizu.ac.jp/

(続く)

(本記事は、オービットアカデミックセンター会報誌 プラネットニュース 2020年7月号(2020年6月20日発行)に掲載された内容です。)