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【後藤敏夫のグローバル教育ニュース】 今後STEMと文系のダブル教育がエリートの条件となる②

2017.08.14

地球環境の悪化が進行する中、持続可能な成長は可能なのか?

私達の住む地球の生物化石資源の枯渇、地球温暖化の進行、砂漠化の進行、絶滅危惧種の増加など、地球環境が悪化する中、持続可能な経済成長ははたして可能なのでしょうか?

SDGs(持続可能な開発のためのアジェンダ2030)とは?

2015年9月に「国連持続可能な開発サミット」で採択された、SDGs(持続可能な開発のためのアジェンダ2030)が様々な場で議論の中心になっています。2030年をめどに、下記の目標を掲げ、国際協力をして果敢に実行するという宣言です。 <SDGsの17の目標・課題> ①あらゆる場所、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ。 ②飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成、持続可能な農業を推進する。 ③あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保、福祉を推進する。 ④すべての人々に公平で質の高い教育を提供。生涯教育の機会を促進する。 ⑤ジェンダーの平等を達成、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る。 ⑥すべての人々に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する。 ⑦すべての人々に手ごろで信頼でき(安全)、持続可能なエネルギーへのアクセスを確保する。 ⑧すべての人々のための持続化可能な経済成長、完全雇用と適正な仕事の確保 ⑨災害等時に容易に復元可能なインフラ(ICT・通信・衛生施設・農業インフラ等)の整備。 ⑩国内および国家間の不平等の是正。 ⑪都市と居住地を安全、レジリエント(災害等に対して容易に復旧可能)で、持続可能にすること。 ⑫持続可能な消費と生産の仕組みを確保する。 ⑬温室効果ガス等による気候変動に対して緊急対策をとること。 ⑭海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用すること。 ⑮陸上生態系の保護、回復及び持続可能な利用の推進、持続可能な森林の管理、砂漠化への対処、土壌劣化の阻止および逆転、生物多様性損失の阻止を図る。 ⑯持続可能な開発にむけて、平和で排他的でない社会を推進し、すべての人々に排他的でない(司法制度も含めて)制度を構築する。 ⑰持続可能な開発に向けて、ICT、インターネット等のインフラを整備し、グローバルな(国境を越えた)パートナーシップを活性化する。 提起された課題は、いずれも今後地球上で人類が生存していくために極めて重要で、達成しなければならない地球規模の課題ばかりです。狭義の環境問題にとどまらず、国際政治・難民・教育・飢餓など、様々な国際社会の問題を含んでいて、いずれも他の課題と密接に関連しています。 しかし、挙げられた17の目標・課題が達成することがかなり困難なものが多いこと。加えて、世界的に国際政治の枠組みが大きく変わる中、ナショナリズム(あるいは新帝国主義?)が再興し、エゴむき出しの自国第一主義の勢いがますます強まり、かなり厳しい局面を迎えています。 今後の若いリーダー達は、大学(院)の専攻分野、文化背景・宗教・立場等を超えて、これら地球規模の課題を深く理解、共有し、行動しなければなりません。

(続く)

(本記事は、オービットアカデミックセンター会報誌 プラネットニュース 2017年8月号(2017年7月20日発行)に掲載された内容です。)