【後藤敏夫のグローバル教育ニュース】 どんなタイプの大学を選択するのが得か?①
2017.04.14
異変が起こっているGMARCHクラスの私立大学文系学部
近年のグローバリゼーションの大波の中でも、相変わらず早稲田大学の看板学部は政治経済学部と法学部。慶應義塾大学では医学部と法学部と経済学部。これらの学部は伝統があり、入試の難易度も最難関レベルを維持しています。 ところが、首都圏のGMARCHレベル(学習院、明治、青山、立教、中央、法政)では異変が起きているようです。 従来これらの大学のいわゆる「看板学部」は伝統があり(多くは法学部、経済学部、文学部)、多くの卒業生が社会で活躍していて、社会から定評があり、その大学の中では人気の学部でした。しかし、近年これら看板学部の人気に陰りが出てきました。 2000年代以降に相次いで新設された国際教養系学科、国際経営学科、異文化コミュニケーション系学科の中で、次の4点を徹底して行っている学科の人気が、今急上昇しています。①グループワーク、リーダーシップ等の新しい教育手法を取り入れたカリキュラムを導入していること。 ②英語を教授言語として導入(DLE…Dual Lingual Education)し、専門科目の多くを英語で学習できること。 ③多数の学部協定大学を持ち、留学(半年~1年)を必須または推奨としていること。これらの留学体験で、アカデミック(ビジネス)英語を使う機会を提供していること。 ④海外インターンシップの取り組みを推奨していること。
いずれも、カリキュラムには厳しい実践的なコースワークと英語の運用能力のトレーニングが組み込まれていて、大量のアサイメントとグループワークが課されます。従来の「受け身で楽な勉強とアルバイト」という文系コースの学生とは異なり、海外大学並みの忙しい勉学生活を送ることになります。注目を集める立教大学経営学部国際経営学科
この学科はBBL(バイリンガル・ビジネスリーダー・プログラム)がコアカリキュラムになっていて、2年の秋学期(後期)から英語による専門科目の授業が始まります。当初は、やや易しめの英語による専門科目(Basic Courses)とその科目に対応する英語(ESP…English for Specific Purposes)を同時受講します。3年次からは、ESPはなくなり、英語圏の大学の講義と同じレベルの英語で展開されるMainstream Coursesが開始されます。2年次から3年次で半年~1年の海外大学留学が推奨されます。国内で訓練された英語力をもとに、海外の大学で専門科目の授業を受けることになります。<専門科目の領域> 〇マーケティング領域 〇マネジメント領域 〇アカウンティング&ファイナンス領域 〇コミュニケーション領域 (開講専門科目の約70%は英語で開講されています。)
1年次からEAP(English for Academic Purposes)が整備されており、学生の英語力を段階的にレベルアップさせてからの専門科目履修への接続が可能なので、英語力が更に必要な日本人学校出身者には、最適なコースの一つでしょう。この学科でアカデミックな英語力と海外型の学習スキルを養成し、海外の有名大学ビジネスコース進学という選択肢も開けます。 きちんと構築されたDLEが評価され、早慶レベルの大学並みの入試難易度になり、現に早慶より立教を第一志望にする学生まで現れています。 (本記事は、オービットアカデミックセンター会報誌 プラネットニュース 2017年4月号(2017年3月20日発行)に掲載された内容です。)(続く)