【後藤敏夫のグローバル教育ニュース】 2020年に導入の新センター試験 その①
2016.10.14
2020年に導入の新センター試験はどうなるのか?
2020年に導入が決まっている新テストについて、3月25日、文部科学省の専門家会議から最終報告が発表されました。これで大筋の方向が決まりそうです。予想どおり、大幅な変更になりそうです。 【大学入学希望者学力評価テスト】(以下略称:評価テスト)と【高校基礎学力テスト】(以下略称:基礎テスト)の2種類実施されます。現行のセンター試験は前者の評価テストに置き換えられ、後者の基礎テストは新学習指導要領のアチーブメントテストとして使用されます。 2020年以降の大学入試では評価テストが主流になるので、これに絞って解説します。ポイントは下記の4点です。1.テストの問題形式はPISA型学力観※に立脚した問題に
すべて単一解答する選択マークシート方式だった現行センター試験は、下記2種類の問題に切り替わります。 ・複数の正答が存在する選択問題。 ・一定の条件を設定し、それを踏まえて結論や結論に至るプロセス等を解答させる「条件付記述式」問題。 記述式問題を採用する科目は、初年度は国語と数学で実施。その後、他科目に拡大する予定。記述する制限字数も当初は40~80字程度の短文記述、2024年度以降は数百字の本格的記述式問題にする。問題の難度は明らかに難化します。 ※PISA型学力観 ・資料(文章や数式・グラフ)で表現された初見の課題を読み取り、要点・問題点を把握する能力 ⇒リサーチの基本スキル ・上記資料から問われた問題点を論理的に思考・類推する能力⇒分析・総合する思考力 ・問いに対する自己の解答を客観的に表現する能力⇒論理的表現・記述能力2.CBT方式(Computer based Test)の試験に
新テストはコンピュータによるテスト-CBT方式に 変更。TOEFLのテストのイメージになります。記述も タイプイン。入試から紙と鉛筆が消えるのも間もなくで す。テスト会場は大学や高等学校を予定。3.多様な判断ができるテスト結果の表示
記述式問題に関しては段階表示。選択問題に関しては、 素点だけでなく、各科目の領域ごと、設問ごとの解答状 況などを表示。これらの情報が開示され、各大学の選考 の資料とする。4.英語は外部4技能テストを推奨
TOEFL、IELTS、TEAP、GTEC等認知度の高いテストを早期に複数回受験、高得点を獲得すれば、大学受験は有利になります。(続く)
(本記事は、オービットアカデミックセンター会報誌 プラネットニュース 2016年10月号(2016年9月20日発行)に掲載された内容です。)