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【後藤敏夫のグローバル教育ニュース】 変わる英語の学力観Ⅲ

2015.08.14

TEAP(※1)拡大の意味

2015年度入試において、上智大学は国際教養学部を除く全学部で、日本英語検定協会と共同開発した4技能テストであるTEAPを選考の資料として使うTEAP利用型一般入試(※2)をはじめて実施しました(英語以外の科目は従来型出題)。特に上智大学を第一志望とする多くの受験生がこの方式で受験しました。同入試方式の志願者は9,106人。従来から実施している「学科別入試」の志願者は22,634人。両方式の志願者合計は31,740人(前年比111%)となり、18歳人口が減少する中で、過去最高の志願者数を記録しました。「TEAP効果」というべきちょっとしたブームになっています。 2016年度は上智大学以外でも、立教大学、青山学院大学、関西学院大学など有力私立大にも追従する動きが広がっています。これは次の理由によるといわれています。 【テストとしての妥当性】

① 国際的な認知度が高く、海外大学の入学選考に広く使われている英語力認定試験(TOEFL,IELTSなど)と同じく、TEAPも今後主流になる4技能測定(「読む」「聞く」「書く」「話す」)の試験として開発された試験であり、これからの時代において入学後必要な英語力を測定するテストとして適切であること。

②日常生活において英語を使用しない環境での英語学習…EFL(English as Foreign Language)を行う日本の生徒たちにとって適切なレベルのテストであること。

【実施する大学からのメリット】

③当該学科が必要とする英語力を持つ学生をかなり正確に選別できること。

④問題作成にコストと手間のかかる独自のテストを入試種別分作成する必要がなくなること。

【受験生から見たメリット】

⑤対象としている高校2年から入試まで最高6回受験でき、その中から最高点を提出できること。

⑥英語の得意な生徒にとって、いったん早期に高いスコアを獲得できれば、他教科の勉強に集中できること。

⑦TEAP入試を採用する他の大学と併願しやすくなること。

⑧みなし得点方式(※3)を採用する大学の場合、4技能スコアが高い学生にとってはかなり有利になること。

※1 TEAP(Test of English for Academic Purposes):上智大学と日本英語検定協会が共同開発した4技能テスト。各技能100満点、合計400点満点。 ※2 上智大学TEAP利用型一般入試 (http://www.sophia.ac.jp/jpn/admissions/gakubu_ad/2016ippan_teap) ※3 みなし得点方式:TEAPをはじめとする4技能テストのスコアを一般入試の英語の得点に換算すること。特定のスコア以上(TEAPの場合、4技能各65点以上でかつ合計300点以上)を満点換算する大学・学科が増えると思われる。 表

(続く)

(本記事は、オービットアカデミックセンター会報誌 プラネットニュース 2015年8月号(2015年7月20日発行)に掲載された内容です。)