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【後藤敏夫のグローバル教育ニュース】ようやく発表された2020年度以降の大学入試の方針②

2019.09.15

記述式問題が導入される数学・国語

2020年度に開始される大学入試共通テスト(略称「共通テスト」)は現行の大学入試センター試験と同じマークシート方式が基本ですが、思考力や表現力を問うために国語と数学の2教科で一部記述式問題を導入することが決まっています。
数学では「数学Ⅰ」「数学Ⅰ・数学A」の小問3問で記述式問題が出題されます。2回目の試行調査(2018年11月実施)では、数式を書かせた2問の正答率が5.8%と10.9%。短文を書かせた残り1問の正答率はなんと3.4%と低迷しました。問題の難易度が高かったというより、受験者にとって数学の記述式問題の経験が浅く、戸惑いが大きかったことが得点の低さにつながったと思われます。(IB等の国際カリキュラムを履修しているインター校生の皆さんにはお馴染みですね。)
この結果を考慮し、大学入試センターでは2020年度に実施する大学入学共通テストの数学の記述式問題では当初出題を予定した「問題解決のための方略(解答に至る手筋の説明)などを端的な短い文で記述する問題」は出題しないことを決めました。(ただし、記述論述が増えるのは世界の教育の趨勢なので、今後はこのような短文を書かせる問題が間違いなく増えると思われます。)
国語の記述式問題も小問3問が出題されますが、解答字数の上限は最も長い問題で80~120字。他の2問は「それよりも短い字数を上限」とし、下限は設けない方針です。(2回目の試行調査では3問を「20~30字程度」「40~50字程度」「80~120字程度」としていました。)
 

注目の理数融合の新科目「理数探究」……2024年度から共通テストに出題

現在中央教育審議会で最終検討している次期学習指導要領のうち、最も注目されているのは、数学と理科にまたがる新設科目「理数探究」です。
「数理探究」は、高校段階でかなり高度な理科や数学の探究活動を行う「スーパーサイエンスハイスクール」(SSH)の取り組みと同様の学習を組み立てるとされています。
文部科学省の探究学習の定義は「問題解決的な活動が発展的に繰り返されていく一連の学習活動のこと」つまり、問題・課題解決型の学習ということです。従来の一般的な科目が知識・技能を習得させることを中心にした授業になっていたのに対し、「探究」は自ら課題を発見し、その課題を解決するためのプロセスを体験しながらスキルを習得していくというような実社会に通用するような資質・能力を育てる学習だといえるでしょう。
 

自然科学・工学・数学等をテーマに研究者と同様なプロセスを体験し、思考する

この科目では、自然科学・工学・環境科学や数学等の分野から課題を選択し、実際に研究者が行っている同様のプロセスを体験、探究することになります。

<課題分野>
〇 自然事象、社会事象に関する課題
〇 先端科学や学際的領域に関すること
〇 環境分野に関すること
〇 科学技術に関すること
〇 数学、統計的分野に関すること

<探究のサイクル>
①課題:(問題)設定:具体的な課題を設定する。

②観察:対象を徹底的に観察。起こっていることを整理する。

③仮説:何が起こっているかを推論、仮説を立てる。

④実行(実験):実行(実験)してみる。

⑤検証:仮説が正しいか検証してみる。
→ 仮説が正しくない場合 ①②③ に戻る。
この「理数探究」も2024年度から共通テストの選択科目に導入されることになっています。

(続く)

(本記事は、オービットアカデミックセンター会報誌 プラネットニュース 2019年9月号(2019年8月20日発行)に掲載された内容です。)

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