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後藤敏夫のグローバル教育ニュース 2013/9/20

2013.10.10

「高等教育のバイリンガル化の動きと対応できる英語力」

taro

PLANET NEWS 10月号(9月20日発行)

掲載従来の日本の大学の対応
我が国は、明治以来、学術分野も高等教育もすべて母語である日本語で行ってきました。明治の先人たちが西欧の科学技術や社会科学の用語を苦労して漢語の使った日本語に翻訳(酸素、光合成、民主主義、憲法、経済学、など枚挙に暇がありません)し、母語による高等教育の学習は当然のことながら効率が極めてよく、日本がアジアに先掛けて近代化に成功した大きな要因の一つになったと言われています。

ところが様々な民族と情報が行き交い、英語を共通語とするグローバル化が急に進むと、日本語による学習、ビジネスは限定された閉じた世界での活動になってしまうので極めて不利な展開になります。

高等教育のバイリンガル化は世界の潮流

20年ほど前からグローバル化の潮流の中で、世界各国の大学教育のバイリンガル化が目立ち始めました。

EUでは各国まちまちだった加盟国の大学・大学院単位制度の統一(ボローニャプロセス)と授業の英語化を強力に推進しています。各大学にとって優秀な教員や学生を国籍にかかわらず集めやすいという直接的メリットだけでなく、将来重要になるグローバルなネットワーク作りに大変有利だからです。卒業後、加盟国のグローバル企業就職が有利なこともあり、EU加盟国以外の学生も多数集まり、グローバル時代の新しい大学モデルになっています。

ASEAN各国、南アジア、台湾や香港でも大学教育の英語化とグローバル化がかなり進んでいます。英語圏であるシンガポールはもとより、香港、台湾、タイ等の上位難関大学(NUS-シンガポール国立大、南洋工科大、香港大、香港科学技術大、台北大、タイ王立チェラロンコーン大等)が授業の英語化と単位互換や柔軟な編入対応によって教員と学生の多国籍化に成功しています。

 

ようやく動き出した日本の大学のバイリンガル化

 日本人を主な対象に日本語による日本人による講義が中心の日本の従来型上位難関大学を卒業しても、大学卒の基本条件である共通語-英語の運用能力が身に付きにくいだけではなく、卒業後に活用できる様々な国際的なネットワーク構築はほとんど望めません。

 さすがに日本の大学でも動きが始まりました。理工系学部の専門科目をすべて英語で単位履修できる名古屋大、早稲田大、上智大等のコースには各国の優秀な留学生の獲得とキャンパスの多国籍化が期待されています。

今後5年間に教養科目の50%を英語にすると宣言した京都大や九州大の同様な動きには大きな注目が集まっています。

 

大学のバイリンガル化に対応する入学者の英語力設定

―読む、書く、話す、聞くの4技能のバランスを重視したアカデミック英語

 大学のグロ-バル化の鍵になる英語による授業を受けられる学生を増やすには、大学入試とそれに直結する英語学習の抜本的改革が必須です。自民党の教育再生会議からもTOEFLのスコアを基準にした選考にすべきだという提言が出ています。そのねらいは「入試科目としての英語の勉強」から「大学での専門科目を英語で

勉強」するための学力への転換です。これは当然の帰結です。

 英語圏をはじめとする世界の上位難関大学ではTOEFL90点以上というのが一般的な合否基準スコアになっています(今回の答申では上位30大学の入学時ではなく卒業時のスコアを90という目標設定がなされています)。

入学時の英語力がTOEFLのような国際的試験を基準にするようになると、大学入試だけでなく中学・高校の英語教育が大きく変わることは間違いありません。近年文科省が目指したコミュニカティヴな英語ではなく、読む、書く、話す、聞くの4技能のバランスのとれたアカデミックな英語が学習の指針になります。オービットの英語講座はこの方針で構築されています。

(続く)

おーびっと太郎 (後藤敏夫)

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