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【後藤敏夫のグローバル教育ニュース】 世界の大学教育の大きな変化 -7

2015.01.15

日本の大学教育 ③二極化する大学(G型大学とL型大学)

日本の大学教育もようやくグローバル化対応への取り組みを開始しましたが、すべての大学が同じように変化するわけではありません。10月17日に行われた文部科学省有識者会議に提出された資料がネットに公開され、大きな議論を呼んでいます。

まとめていうと、スーパーグローバル大学を中心とする、高度なアカデミック教育を行い、グローバル化対応を積極的に推進する少数のG型大学(Global)と、地域に根ざし実践的な職業訓練に特化したその他のL型大学(Local)に役割を分け、それぞれの対象の学生層に合わせた有効な教育が可能な複線型の教育制度に改編すべきだという主張です。これは行き過ぎた極論だという意見があるようですが、複線型教育制度が一般的な海外に在住する私たちにとっては極めてわかり易い議論です。

格差の拡大、人口減少と大学の淘汰

グローバル化は世界的に大きな格差を生みだし、拡大させる傾向にあります。世界共通語=英語を駆使し、世界を活動の舞台に拡大できる人材と、ほぼ母語(=日本語)だけでしか活動できない人材では、今後年収で3~5倍以上の差がつくといわれています。

日本の人口(現在1億2700万人)は2020年を境に急カーブで減少し、2040年代に約9000~9200万人に、GDP(国内総生産)は現在の約50%まで低下するという予想です。こうした急激な人口減少、GDPの低下を考えると、2014年現在、781ある全国の四年制大学のうち、積極的に留学生や外国人教員を増員し、英語による専門科目クラスを増やすことでG型として存在可能な大学は、50からせいぜい80。L型として生き残れるのは250程度だと思われます(ちなみに人口約6500万人のイギリスの大学数は100。1970年時点の日本の大学数は282)。偏差値がかなり高いけれどもグローバル対応が遅れている伝統のあるブランド大学は危険です。むしろ社会福祉士、保育士、看護師、薬剤師等の各種国家資格試験の合格率の高い小規模大学はL型大学として生き残るでしょう(いずれもグローバル化の影響が比較的小さい分野)。

日本の大学教育は今まで経験したことのない規模の徹底的な変革と対応を迫られています。

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(続く)

(本記事は、オービットアカデミックセンター会報誌 プラネットニュース 2015年1月号(2014年12月20日発行)に掲載された内容です。)

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