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【後藤敏夫のグローバル教育ニュース】 理工系大学のグローバル化への取り組み

2014.05.15

従来国際的なイメージが薄かった理工系専門大学でのグローバル化対応や学生の英語力強化の取り組みが急速に進んでいます。

東京海洋大海洋科学部 すべての入試制度でTOEFL, TOEICのスコアを要求

東京海洋大学(旧東京水産大、東京商船大)は、2016年度入試から「外部英語力検定試験であるTOEFLあるいはTOEICで一定以上のスコアを保持していること」を大学出願の条件にすることを発表しました。推薦、AO入試のみならず一般入試も含んだすべての入試方式で実施され、これは日本初の取り組みです。国立大で理系の特定分野に専門特化した小規模大学として極めて現実的な選択でしょう。これは大学独自の英語の入試問題ではなく国際的に認知されているテストの指標を使うということです。TOEFL等のスコアで測った英語力と、認知されたカリキュラムに沿った科目の学力を主な選考の基準にする海外大学の選考方式に倣ったものです。ひとまず英語力のハードルは低めに設定されていますが、実用的な英語力や海外でのコミュニケーションの体験に対する積極的評価と、英語力の保証という二重の意味を含んでいると思われます。
さらに東京海洋大では【留学経験特別入試】という高校時代1年以上の留学経験者を対象とした特別枠を設け、一斉試験では選考できない学生を受け入れる入試の実施を発表しました。明らかに「入学してほしい学生像と求められる学力観」が変化しています。これらの動きは今後他大学に拡大すると思われます。

理工教育の先端を行く東京工業大学の新たな取り組み

東京工業大学は国立理工系の専門大学として従来から有名です。研究・専門教育のレベルが国際的にも極めて高い評価を得ています。ちなみに世界的に定評のあるQS世界大学ランキング(2013年度)では総合66位。特に応用化学、地球科学、建築・都市計画、材料工学、ロボット工学等の分野では世界トップレベルと言われています。学部卒の9割という群を抜く大学院進学率がその専門性を語っています。
しかし、グローバル化の急速な進展の中で、英語の運用能力や多民族のメンバーとプロジェクトを組みリーダーシップをとる能力の養成が必須条件になってきました。国際プロジェクトや企業活動で優秀な理工系人材に活躍が期待される地域は、成長著しいアジア、中近東、南アメリカ等です。
今後、「グローバル志向で専門性が高い理工系人材」が養成できるか否かが理工系専門大学の生き残りにかかわる大きなポイントと言われています。

東京工業大のグローバル理工人育成コース

こうした需要に対応し、世界トップ水準の研究力と国際プロジェクトの実践力を養成することを目的として【グローバル理工人育成コース】が学部課程に設置されました。このコースは4つのプログラムにより構成されます。

A.「国際意識醸成プログラム」(グローバル化教育)(3単位以上)
B.「英語力、コミュニケーション力強化プログラム」(4単位以上)
C.「科学技術を用いた国際協力実践プログラム」(8単位以上)
D.「実践型海外派遣プログラム」(大学・企業・国際機関へ派遣)(1単位以上)

このコース所属の学生たちは、それぞれ所属の学科の専攻科目を履修することに加えて、

①4つのプログラムの所定の単位を取得すること
②TOEFL80以上のスコアを取得すること
③グローバル人材として十分なスキルと精神性を持っているか、ポートフォリオを使った面接による厳しい評価 を受ける

これらの要件をすべて満たすとコース修了が認定されます。

 

    (続く)

(本記事は、オービットアカデミックセンター会報誌 プラネットニュース 2014年5月号(2014年4月20日発行)に掲載された内容です。)

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