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【後藤敏夫のグローバル教育ニュース】 教育のグローバル化競争が本格化する その③

2017.02.15

PISAで各国の基礎学力が比較される

PISAを作成・運営しているOECD(経済開発協力機構…Organisation for Economic Co-operation and Development)は、急激に変化する社会・環境に対応する教育の在り方を検討し、来るべき近未来2030年の教育の有り様の指針を示すプロジェクト「Education 2030」を開始しました。

2030年に求められる資質・能力…「Education 2030」

今後の社会で積極的に求められるスキル・資質・能力は大きく変化していきます。「Education 2030」で指針とされた資質や能力がどの程度まで達しているか、15歳の生徒に3年に1回調査を実施し、参加国ごとのデータ・平均を公表、国際比較を行うテストがPISAです。ここで問われるのは、国ごとの異なった教育内容や基準ではなく、国際的に広く認知されている教育に関するスキル・資質なのです。参加国・地域は毎回増加し、「PISA 2015」には72の国・地域から約54万人の生徒が参加しました。

①調査されるテスト分野…2015年までのPISAでは以下の3分野のテストが行われています。
【読解力】    自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、社会に参加するために、書かれたテキストを理解し、利用し、熟考し、これに取り組む能力
【数学的リテラシー】様々な文脈の中で数学的に定式化し、数学を活用し、解釈する個人の能力
【科学的リテラシー】「現象を科学的に説明する」能力、「科学的探究を評価して計画する」能力、「データと証拠を科学的に解釈する」能力。特にこの分野にはシミュレーションを含む新傾向問題が出題されました。
いずれの3分野も暗記した知識はほとんど必要としない問題解決型問題が出題され、将来の大学教育やビジネスで必須とされるスキルや資質を調べるものになっています。

②CBT(Computer Based Test)方式のテストが世界の主流になる。
前述のように「PISA 2015」からCBT方式のテストに変更されました。ICT(Information & Communication Technology…情報通信技術)が急速な発展を遂げ、IOT(Internet Of Things…物のインターネット)が普及、あらゆる機器やコンピュータ、ネットワークがAI(人工知能)を介して接続され、多様な情報が瞬時に共有されるような時代がすぐにやってきます。
これからの時代、「紙と鉛筆によるテスト」がICTを利用した新しいテストに急激に変わることは間違いありません。文章・統計・数式・グラフをコンピュータ上に表示、インターネットから様々なデータをダウンロード。数値を入れれば即時にシミュレーションを行う。「受験者の解答によって次の設問の難易度を変える」ということが既に可能になっています。このような環境では、体系的な知識を記憶することを中心とした受動的教育が役に立たないことは言うgまでもありません。

③「PISA 2018」から追加出題される新分野【グローバル・コンピテンシー】
グローバル化した世界で生きていくために以下の必要なスキル・資質を問う、新分野のテストが出題予定です。
・グローバルなコミュニケーション能力(外国語での言語能力、異文化対応能力)を持っているか?
・グローバルで柔軟な思考ができるか?
・多様性を尊重する態度・志向がそなわっているか?
・シチズンシップがそなわっているか?
・ローカルな課題とグローバルな課題の相関を統合する能力があるか?
この項目は既に、グローバル企業の採用や人事査定時に使われていることは言うまでもありません。

(続く)

(本記事は、オービットアカデミックセンター会報誌 プラネットニュース 2017年2月号(2017年1月20日発行)に掲載された内容です。)

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