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【後藤敏夫のグローバル教育ニュース】暗記科目ではなくなる高校社会科

2015.11.15

2022年度をめどに、高等学校社会科の科目構成、学習手法、評価が大きく変わる見込みです。今や図書館に行かなくても、スマートフォンとネットワークを使う環境があれば、様々な知識を容易に獲得することができます。しかもその知識は短期間に変化、陳腐化していく時代です。今後は体系的知識を詳細に記憶することよりも、様々なテーマに関する文脈の把握、データの読み取り、客観的評価、それに対する論理的なコメントの作成能力が問われます。大学での学習に直結するリサーチ能力、問題解決型の学習のアプローチと手法の学習に重点が置かれるようになります。このような考え方に基づいて下記3教科が、必修科目として再構成、新設されます。

【歴史総合】…日本史Aと世界史Aが統合・再編成、近現代史中心

現行は必修科目の世界史、選択科目の日本史双方とも通史の学習が中心であり、出来事を年代順に学習するのが基本的な学習手法でした。しかし、新科目の【歴史総合】では「今の世界情勢を理解するには、近現代史の転換点を重点的に学ぶ必要がある」という理由で従来、歴史教育の中で軽視されてきた近現代史重視に舵を切ることになりました。「起こった出来事(事件)や周辺国との関係の変化」の意義の考察もきわめて重要になります。海外で生活する私たちにはよく納得できる大きな転換です。

【地理総合】…地球規模の問題に応える問題解決能力の養成

地球温暖化、大規模な砂漠化、大気・土壌汚染、異常気象など、地球規模の課題解決や地震、津波等の防災教育の必要性が高まっています。こうした要請に対し地理Aを再構成して【地理総合】を必修科目で新設することとなりました。コンピューター上で地理情報を作成する技能の向上などを通じ、グローバルな視点での地域理解と問題解決型の学習スキルの獲得を目指します。国際バカロレアIBDPのGeography(地理学)やEnvironment System & Society(環境システムと社会)と似たテーマとアプローチになりそうです。

【公共】…社会活動、政治参加を軸に現代社会を考察

【公共】は選挙権年齢の「18歳以上」への引き下げなどを踏まえ、市民としての社会参加、政治参加を促し、模擬選挙や模擬裁判での討論のほか、インターンシップなどの実践的な活動を実施します。弁護士や消費者センター、起業家ら外部の専門家らも関わり、「現代社会の様々な課題に積極的に取り組み、自立できる力を育む」ことを目的とする新科目です。社会保障、契約、選挙、家族、文化と宗教が大きなテーマとして取り上げられます。

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大学受験への影響

難関大学の経済、経営、法学部等社会科学系学部の大学受験においては、特に【歴史総合】が重視され、しかも論述型の設問による試験が増えると予想されます。難関大学の国際系学部では、【歴史総合】【地理総合】に関する英語による小論文が増えると予想されます。

(続く)

(本記事は、オービットアカデミックセンター会報誌 プラネットニュース 2015年11月号(2015年10月20日発行)に掲載された内容です。)

 

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