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【後藤敏夫のグローバル教育ニュース】新学習指導要領の方向

2015.10.15

学力観、学習評価が劇的に変わる

2017年3月までに中央教育審議会によって改訂内容が最終答申決定されますが、今回の改訂はかなり徹底した大幅なものになりそうです(小学校は2020年度、中学校は2021年度、2022年度以降は全面実施されます)。

これに先立ち8月に各教科の改訂の概要が発表されました。どの科目も科目内容の整理・変更だけでなく、グローバル型の新しい学力観に立脚した学習手法と、養成されるべき能力の大幅な転換を求めています。

【従来型の学力観-体系的知識吸収重視】

これは、体系的な知識の記憶力と、その知識を基に、筋立てや正解がひとつに決まった問題を正確にかつ速く正解に到達する能力を評価する学力観です。ほとんどの国公立大学の一次入試で課される現行のセンター試験(正式名称「大学入学者選抜大学入試センター試験」)はこの従来型の学力観にたった典型的なテストです。記憶力とトレーニングの多寡が点数に直結します。また、多くの大学の個別入試も従来型の学力観に沿った出題が多く見られます。

【新指導要領の学力観-PISA型学力観にたった能動的な学習】

生命科学、物理学、化学等の様々な自然科学、IT、各種工学科学技術の革命的な発展、地球環境の悪化、先進国の高齢化、グローバル化の急激な進展等変化の速度はすさまじく、大学で勉強した内容が10年ですでに陳腐化してしまう時代になりました。このような時代では、体系的知識を記憶することより、下記のような情報の分析・総合する思考力、表現・記述能力(リテラシ―)、社会に積極的にコミットする態度がより重要になってきます。

・資料(文章や数式・グラフ)で表現された未学習の課題の意味を読み取り、要点・問題点を把握する能力(分析・総合する思考力)。
・問いに対して自己のコメント、回答を客観的に表現する能力(表現・記述能力)。
・特に高校段階では一方的な知識伝達型ではなく、自ら課題を発見し解決する【アクティブラーニング】と言われる手法の導入。

課題に関して仮説を設定、結果を評価、検証するリサーチの基本スキルも当然含まれます(これら3点は国際バカロレアのDPで課される課題論文…Extended Essay作成時に必要なスキルと同じ。大学でのリサーチ学習につながるものです)。

プロジェクト型グループ学習が積極的に導入される

中学、高校での各科目の学習と評価は入試突破型のものから、大学でのリサーチで能動的な学習が可能なスキル育成とそれに沿った学習評価に大きく転換されます。更に、プロジェクト型のグループ学習が積極的に導入され、チームワークやリーダシップ、積極的な活動へのかかわり等の社会的スキルも評価のポイントになりそうです。

海外の上位大学入学のアドミッションでは、既に高校の成績、国際バカロレア等統一試験のスコア以外に上記スキルが評価のポイントになっています。学業が優秀で社会スキルが高い人材を輩出すれば、多くの卒業生が社会で活躍し、大学の評価に直結するのは明らかだからです。

(続く)

(本記事は、オービットアカデミックセンター会報誌 プラネットニュース 2015年10月号(2015年9月20日発行)に掲載された内容です。)

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